2022年4月のブログ AMRへの取り組み

更新日:4月25日

4/1に二年に一度の診療報酬改定がありました。アレルギー性鼻炎免疫療法加算や耳鼻科処置の点数増加などあり、同じ診療内容でも少し会計金額が上がったと感じられた方もいると思います。そんな今回の改定で一番の注目点は、抗菌薬の処方に関して適正使用加算が始まったことだと思います。


これは簡単に言うと、「のどが痛いから抗生物質ね」みたいな診療をしてはダメということです。理由は以下の通りで、

①のどが痛い理由は、ウィルスや細菌の感染ではないことが多くある

②風邪など急性上気道炎だったとしても、原因の多くは細菌ではない(抗菌薬は効かない)

③抗菌薬を不適切に使用すると、抗菌薬の耐性菌が増えてしまう(これが世界的な問題)


抗菌薬が菌に効きにくくなった状態を「薬剤耐性」というわけですが、Aという抗菌薬が効かなくなればBを使うことになります。AもBも効かなくなればCを使います。しかし抗菌薬の種類には限りがあるので、いつかすべての抗菌薬が効かなくなりスーパー耐性菌が発生してしまいます。そういうことを起こさないために、抗菌薬使用は慎重にしなくてはなりません。それが世界的な流れなんですが、いまだに日本では「風邪なのに抗菌薬を出してくれないなんて、ひどい医者だ」というクレームが出ることがあります。そういう間違った意見に負けずに、我々は正しい医療を貫かないといけません。


実際に発生したスーパー耐性菌のニュースがこちら

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/post-5195.php


ただここで誤解しないで頂きたいのは、抗菌薬が必要だと判断した場合は処方すべきだということです。抗菌薬を出すべきタイミングで投与しなかった場合、その後重症化して膿瘍などを起こすこともあります。そうならないために処方が必要になる場面も多くあります。

実はこの4月から抗菌薬を出さない方が加算がとれるようになったので、逆にわざと抗菌薬を処方しない医師が増えないか心配しています。抗菌薬適正使用とは、無理に抗菌薬を出さないようにすることではないということをよくご理解ください。


例えば私の外来では、初めは抗菌薬で治療しなければならない疾患も、その後再発しないように治療することで抗菌薬使用の総量を減らせるように取り組んでいます。病気にならなくなるわけですから、患者さんも喜びますしね。全部がうまくいくわけではありませんが、可能な限りそういう治療をしようと思っています。




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